天網恢々疎にして漏らさず

仕事場で開発中のブツで使われている,通信プロトコルの改良を依頼された.
通信プロトコルの設計というのは非常に厳密な用件定義が必要であるので,めちゃめちゃハードコアな仕事である.数学みたいなもんですな.
私は元来おおざっぱな性格なのでそういう仕事には向かないのだが,まあぶーたれるぐらいはできるだろうとおもい引き受けた.


で,日本で一番大きなメーカの,一番かっこいい名前の研究所に勤める人が書いた(らしい)通信プロトコルの性能報告書を読む.
「『〜という測定をCASE1,CASE2のそれぞれの場合に対して行った』のCASE1,CASE2の説明が一切ない」といった,出来損ないの卒論のような報告書であった.
しかも,自分の発明を有意なものにするために,無理やりデータをいじっているくさい.グラフがめちゃめちゃ怪しい.
これはどうにかしないといけないので,質問状を書いて書いた人に送ってやった.


今までこの資料を触ったのはバリバリのハードウェア開発者(特徴:前歯でワイヤーストリップを行う)だけであった.
人は自分の専門でない限り,資料は結論しか読まない.
よって,今までこのイイ加減な仕事が顕在化しなかったのであろう.ふっふっふ,恐れおののけ.