大人な手打ち

現在の私の仕事は「某国標準規格会議で自社技術を標準規格として通してくること」である.
派手な仕事であり,なおかつ他ではあまりできない仕事なので非常にやりがいを感じていた.


先日,初めてその標準規格会議に出た.
色々と話を聞くと,会議に技術を提案しているのは弊社のほかには自由鱗社(仮名)だけであることがわかった.
「これは弊社と自由鱗社(仮名)との一騎打ちや!」
と思い,弊社技術の優位点を探すべく,自由鱗社(仮名)技術の研究をしていた.


本日,某所より入電.
「自由鱗社(仮名)との協議の結果,『弊社技術と自由鱗社(仮名)技術,両方を標準規格とするよう提案しましょう』と決まりまちた」


ちなみに,弊社技術と自由鱗社(仮名)の技術はお互い相容れない技術である.
この手打ちはどういうことかというと,例えばお互いに互換性の無い「業界標準ねじ」という名前のねじを多数作るようなもんである.


利用する人はめんどうやと思うけど,まあ,規格会議に参加していなかったのが悪いということで.
「規格会議は政治で動く」というのを目の当たりにした.嗚呼,大人.