「3:97の法則」の誤謬

タイヤのボルトを締めることができる人の数は,自動車の全体設計を上手にできる人の数に比べて(たぶん)多い.
かといって「自動車を作る際にはタイヤのボルトを締める必要はない」というわけではない.
それとこれとは全然別の話である.
「誰でもできる仕事」というのは「やらなくていい仕事」という意味ではない.
簡単なことかしらんけど,せなあかんもんはせなあかんねん.


以前,友人のブログで
「仕事でもなんでも本当に大事なものは100個のうち3つぐらいである.ためしに仕事のうち大事なもの3つ以外を適当にやっつけてみたのだが評価は変わらなかった」
という文章があった.世に言う「3:97の法則」である.


ただいま事業部の手伝いをしているのだが,そこのプロマネがまさに上記のことを実践している.
色々と派手なことをしているので,評価も非常に高い.
しかし,派手な部分以外は全然手をつけていないのでぼろぼろである.
で,本当の本当にどうしようもなくなってから「悪いんやけど・・・」と仕事が飛んでくる.
けど,そんなふうに飛んでくる仕事は外部から見ると「誰でもできる仕事」(実際には「難しいけどお金には換算できる仕事」かな)なのでやっつけても評価はしれている.
その上,納期もむちゃくちゃなのでちゃんとした仕事はできないし,後で問題が出てくるのは確実である.


グローバルなんちゃらとかいう研修をうけるのはいいが,表面的な理解じゃなくて心意気まで理解してきて欲しい.
「3:97の法則」って「『リスクは下流工程へ押し付ける』というのを格好良くいったもの」ではないはずやろ.
ないといってくれ!